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地熱発電の仕組み 

”地熱発電”は日本において、期待と可能性が大きい発電システム。

地熱発電 ”地熱発電”とは、地球内部で創出されている”熱エネルギー(マグマなど)”を 利用した発電方式です。地熱発電は、実はすでに日本において実用化されている発電技術 であり、約50年の歴史を有しているのです。 あまり知られていないようですが、日本はインドネシア、米国に次いで世界第3位の地熱発電 利用国となっています。
ただ地熱発電所の建設自体は1966年から1999年 の33年間だけで、2000年以降は新たな開発計画が進んでいないのが実情で、あまり将来へ向けて 積極的な取り組みが行われていないように思います。

とはいえ、今の状況を招いているのは”地熱発電”自体の可能性や魅力が無いからではなく、 ”原子力発電の推進”といった国家的な政略によって、”地熱発電”が軽視されてきたから だと考えられます。地球規模でいえば、”地熱エネルギー”は莫大な存在感を持っています。 火山大国である、日本においては最も豊富に存在する自然エネルギー資源が”地熱”といえる のではないでしょうか。

”地熱利用(発電)”はなんといっても天候や昼夜を問わず安定的に発電できるというのが 最大の特徴となっています。これは他の自然エネルギー(太陽光・風力など)のほとんどが ”天候”に左右されるという特性があることと比較して、大きなメリットなのです。

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”地熱”資源の存在の仕方(地熱資源の種類)

”地熱資源”はその存在の仕方によって大きく2つの種類に分けて考えることができます。 ひとつは、地下深部から”水(熱水)”を介して地熱が運ばれてくる形で存在している 「対流型地熱資源 」です。 もうひとつが、 地殻構成物質(岩盤など)を伝導してくる形で地熱が運ばれてくる 「高温岩体型地熱資源 」と呼ばれているものです

現在商業規模で地熱発電が行われているのは、”地熱”が利用しやすい形となっている 前者の”対流型地熱資源”を活用した方法です。ただ、”地熱量”という意味では ”高温岩体型地熱資源”のほうがはるかに大きな容量が存在していることから、今後 の研究・開発ポイントとしては、「高温岩体型地熱資源の効率的な利用方法」が最も 期待される要素ではないかと考えています。

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”地熱発電”の仕組み〜3種類の発電方式

現在”対流型地熱資源”を利用した発電方式(地熱発電の仕組み)としては、3種類の方法が存在 しています(ドライスチーム方式・フラッシュサイクル方式・バイナリーサイクル方式)。 それぞれ”地熱資源(熱水・蒸気)”の状態の違いによって生み出された発電方式であり、地域資源 に合わせて選択していくことになります。


■ドライスチーム方式

地熱資源として得られた”蒸気”にあまり熱水が含まれていない場合に採用できる地熱発電方式です。 簡単な湿分除去だけを行う形で、”蒸気”をそのまま発電機(タービン)へと送ることができるため 最も簡便な発電システムとなります。


■フラッシュサイクル方式

現在、日本の地熱発電システムとしては最も主流の仕組みとなっています。地熱資源となる”蒸気” の中に多くの熱水が含まれているときに採用する方式。蒸気タービンに送る前に汽水分離器で蒸気の みを取り除く工程を介して、蒸気のみを発電機(タービン)へ送る仕組みです。
*下図参照

地熱発電


■バイナリーサイクル方式

地殻内に存在している地熱資源の”温度が低温””低圧力”である場合には”高圧の蒸気” が得られず、「熱水」のみが資源として採取できることがあります。そんな時に”熱水”を 活用するのがバイナリーサイクル方式です。
アンモニアやペンタン・フロンなど水よりも低沸点の媒体を、地熱資源として得られた”熱水” によって沸騰させタービンを回して発電する仕組みです。

バイナリーサイクル方式を小規模で活用したものが、「温泉発電」と呼ばれているものです。 直接入浴に利用するには、高温すぎる温泉(例えば70〜120℃)の熱を50℃程度の温度に下げる際、余剰の熱エネルギーを利用、 バイナリーサイクル方式の地熱発電システムを用いることで、発電ができるのです。 地下に井戸を掘るなどの工事が不要であり、温泉運用の過程に占有面積が比較的小規模な 施設として導入できることから、全国の温泉地における”地域発電”として期待できる システムなのではないでしょうか。



日本で運用されている各地の「地熱発電所」

地熱発電澄川地熱発電所
・東北電力 50,000kW
・秋田県
◇森発電所
・北海道電力 50,000kW
◇大沼地熱発電所
・三菱マテリアル 9,500kW ・秋田県
◇上の岱地熱発電所
・東北電力 28,800kW
◇松川地熱発電所
・東北水力地熱 23,500kW ・岩手県
◇葛根田地熱発電所
・東北電力 80,000kW
◇鬼首地熱発電所
・電源開発 12,500kW ・宮城県
◇柳津西山地熱発電所
・東北電力 65,000kW ・福島県
八丈島地熱・風力発電所
・東京電力 3,300kW ・東京都
◇岳の湯発電所
  ・廣瀬商事 50kW ・熊本県
◇大岳発電所
・九州電力 12,500kW ・大分県
◇八丁原発電所
・九州電力 110,000kW
◇杉乃井地熱発電所
・杉乃井ホテル 1,900kW
◇滝上発電所
・九州電力 27,500kW
◇九重地熱発電所
・九重観光ホテル 1,000kW
◇霧島国際ホテル地熱発電所
・大和紡観光 200kW 鹿児島

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