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未利用資源(雪)をエネルギー源として活用。雪冷房システム

雪冷房 雪の多い地域にとって、”除雪”費用はとても大きな負担となっています。”除雪” は、「雪を一箇所に積み重ねる」もしくは「水などで溶融する」かいずれかの方法 で行っていますが、どちらにしても”雪”は単なる除去物という取り扱いでした。

そんな除去対象となっていた”未利用資源(雪)”を夏場の冷房のためのエネルギー資源として 活用する画期的な仕組みが”雪冷房システム”です。

仕組みは簡単。すでに実用化されている技術で冬場に降った雪を除雪作業の一環で ”雪の貯蔵庫”に保管しておきます。夏場になったら、雪貯蔵庫内の冷やされた空気 を冷房として使用及び雪解けの冷水を熱交換器を通して冷房利用する仕組みです。 公共施設や工場施設などを中心に実用化されており、今後はマンションなどへの 利用促進も期待されています。

実際、世界初の雪冷房マンション「ウエストパレス」が北海道美唄市に建設され ています。

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雪冷房の仕組みと種類

雪冷房の仕組みには、「全空気方式」「冷水循環方式」「併用方式」の3種類が存在しています。 現在では、”併用方式”が標準的な仕組みとなっています。

■全空気方式
・雪の表面と空気を直接熱交換し、温度調整された空気を冷風として室内に送るシステム。

■冷水循環方式
・全空気方式によりとけた融雪水を空調用冷水として利用。融雪水を貯水槽に貯め、 温度調整された冷水を各部屋の冷房機に供給する方式。



雪冷房の特徴(メリットなど)

雪冷房システムは従来型の冷房システムと比較して利用料金の3分の1程度 の電気料金だけですむといった特徴があります。初期投資としての設備費用は高くなりますが 、耐用年数も40年程度で3分の1の経費であることを踏まえると総合的に見ると ローコストなシステムといえそうです。

■メリット
・従来型の冷房システムより電気代の削減。(約1/3の電気使用量)
・”除雪”費用の削減。除雪作業が雪冷房システムに一部組み込まれることになるから。

■デメリット
・システム導入できる地域が限定される。(降雪地域が対象)
・”雪貯蔵庫”が必要となるため、戸建て住宅などの小規模建物には不向き。



雪冷房システムが導入できる地域・条件

”雪冷房”は雪を資源とすることもあって、導入する上で気候環境的な条件が 必要となります。

・夏季最高気温が28℃以上の地域
・夏季の日最高気温28℃以上の日が30日以上
・降雪深さ合計値が2m以上の地域

上記用件を満たす地域としては、下図に示した地域となっています。 雪冷房

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